IT業界 医療・制御・業務アプリケーションでの取り組み
簡単そうに思えたCCPMの導入だが、予想以上に現場からの反発が多かった。成功・失敗の事例を通じて、独自の対策をうち、徐々に起動に乗りつつある。最終目標はチーム全員が衆知を集めて問題を解決でき、チャレンジ精神を醸成すること。

■CCPMの良さにひかれ導入決定

営業統括グループマネージャ 鈴木藤夫氏
営業統括グループマネージャ
鈴木藤夫氏

2006年夏、CCPMと出会い、すぐに自社導入および販売代理店となることが決まった。営業統括グループマネージャ 鈴木藤夫氏も「目標を明確にする」「プロジェクト全員でバッファを共有する」「あと何日で進捗管理する」などCCPMセミナーで言われていることは、決して難しい考え方ではなくすぐに実践できると思っていた。

■現実は厳しく導入できなかった

早速テストプロジェクトの候補としてあがったのは、「信号機操作ボード作成」であった。予想工数は20人月。PMを担当したのは20年以上の実績がある敏腕マネージャで、段取り等を自分一人で立てられる人物であった。他のマネージメントツールで、計画は既に作成済みであったため、そのままCCPMへ置き換えて管理することになった。元々のソフトが15分単位であったため、非常に細かいタスクが107個つながっている段取りができあがった。そのため敏腕マネージャの眼には、非常に使いづらいと評価されてしまい、作成した段取り表はお蔵入りとなった。

■ツールよりも先にCCPMの考え方を理解することが成功への近道

なぜ「信号機操作ボード作成」プロジェクトではCCPMをうまく導入できなかったのか?
今回は、敏腕マネージャのやり方に、無理やりCCPMをあてはめようとしたため、CCPMのメリットをうまく活かす事ができなかったからではないだろうか。そこで、まずCCPMの考え方を理解することが成功の近道と考え、チームリーダーへの啓蒙活動を実施した。具体的にはCCPMの勉強会や打合せを頻繁に行った。またリーダーの不安を取り除くため、導入後の支援項目をアピールし新たな作業項目が増えるわけではない事を理解してもらった。
結果、医療・制御・業務アプリケーションの3チームにて、CCPMをテスト導入することになった。

■医療チーム:赤バッファは正しかった

民間病院に既に導入されている電子カルテシステムをハード面のバージョンアップに伴いソフトの変更を行うというプロジェクト。メンバーは、ベテランSEと若手PGの2名だった。
早速ODSCとネットワーク作成をしたところ、計画段階で赤バッファであることがわかった。早期から赤バッファと意識していたので、休日出勤をタイミングよく実施できた。結果、ぎりぎりながらも納期を守ることができた。
「赤バッファはやはり正しかった。効率よくできたので、休日出勤を最小限にくいとめることができた」と担当SEは語っている。

■制御チーム:20年の経験がなくてもアラームを感じることができた

バス停の表示案内ソフトの構築をするプロジェクト。今回より端末が新しくなるため、ハード対応も必要という案件だった。メンバーは、ベテランSE、ミドルSE、若手PG2名、計4名という構成だった。
医療チームと同様に計画を作成したところ、赤バッファを越えて、すでに納期が間に合わないと予測された。
さらに、会議をするたび前提条件が何度も変更されて、なかなか要件がきまらない状況だった。
結果的には、かなり厳しいプロジェクトだと分かったので、慣れていないCCPMツールは使わずベテランSEの指示で対応し、ぎりぎり納期に間に合った。「20年の経験がなくてもアラームを感じることができた。」と若手PGは語る。

■業務APチーム:対策がうてなかった

業務APチームの進捗傾向グラフ
業務APチームの進捗傾向グラフ

信号制御機に入力するための特殊ファイル発行のプログラムを作成するプロジェクト。メンバー構成は、ベテランSEと色々な世代のPGをあわせた計5名であった。計画段階で、黄色バッファであったのを調整し、緑色バッファにしてスタート。進捗も週1回の会議と毎日の朝会で実施し、順調にスタートできた。
しかし、コストは計画通りだったが、納期は当初の計画には間に合わず、変更後の計画はなんとか死守できたという結果だった。赤バッファになっても(図参照)、具体的な対策をうつことができなかったためだ。業務APは日数が見積もりにくい作業が多いので、今後は大日程のみで管理せず、マイルストーンごとの中工程でCCPMの管理を実践していく予定だ。

■今後は独自のCCPM文化を築いていく

専務取締役 中村文彦氏
専務取締役 中村文彦氏

3つの事例を振り返ってみて、全体的に教科書通りの導入を求めすぎてしまったと反省している。もっと現場にあわせて、導入手法をカスタマイズしたほうがよかった。
一方で、マネジメントに興味をもつメンバーが増え、ベテランのやり方を自分なりに置き換える若手が増えたというメリットもあった。
CCPMの導入をプロジェクトとするならば、そのゴールは2つ。
1、チームで情報を共有し、衆知を集めて問題を解決する習慣ができること。
2、スケジュールに関するチャレンジ精神を醸成できること。
専務取締役 中村文彦氏は、IT業界の先駆者として進めていきたいと語っている。

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株式会社日本アドバンストシステム様 プロジェクト管理 事例PDF CCPM事例紹介 株式会社日本アドバンストシステム様のファイルをダウンロードする

Company Information  株式会社日本アドバンストシステム

独立系の特色を生かし、WEB/モバイルアプリケーション・ネットワーク事業・医療システムなど、様々な分野でITソリューションを提供しています。近年は、IT化の進む大規模病院の電子カルテシステム、処方箋オーダーシステムや、電化製品などへ組み込むエンベデッドシステムなどで高い評価を得ています。

●所在地:東京都品川区西五反田2-12-3 ●設立:1978年11月30日 
●資本金:1億円 ●従業員:219名

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