総合建設コンサルタント 企業全体での取り組み
香川県を本拠とする建設コンサルタントの五星は、「地域で必要とされ、そして社員の夢の実現を支援できる企業を目指す」という経営方針の基で、より住みやすい地域づくりにむけて貢献してきました。

■公共事業の現象により、新たな取り組みが必要だった

(株)五星 取締役副社長 神原孝行氏
(株)五星 取締役副社長 神原孝行氏

昨今の公共事業費の減少により、五星の主要顧客である官公庁の予算はピーク時の1/2~1/3ほどになりました。今後も経営を維持していくためには、お客様の指示通りにやるという従来のやり方から民間事業と同様に、創意工夫による顧客満足度の高い提案型への業務展開が求められていました。

一方で、建設コンサルタントという職種は、高度な専門スキルが必要なため一人前になるには10年はかかるともいわれ、ベテランが育ちにくく、また、多忙・残業は当たり前という状況でした。これまでにも標準化や業務改善プロジェクトなど数多く発足してきましたが、受注業務に忙殺され、その殆どは自然消滅していきました。

このような状況の中で、2005年8月「問題山積=可能性の宝庫」と発想を転換し、経営改革(Begin2005)をスタートしました。殆どの業務でプロジェクトの形態をとる五星では、経営改革の要として、プロジェクトマネジメントの状況を可視化し、納期厳守とリードタイムの抜本的な短縮を実現するためにCCPMをテスト導入することにしました。

■問題PJが、全員の知恵で正常化

全員の知恵で正常化

最初に選んだプロジェクトは、その混乱状況で全社的に注目をあびていたとある受注物件です。このプロジェクトは工程半ばにも拘わらず、原価超過手戻り頻発工程遅延膨大な残作業を抱え、スタッフは疲労困憊を極めていました。もし、このプロジェクトでうまくいくなら、CCPMの効果は確信できるだろうと考えたのです。結果として、この問題プロジェクトでは大幅な工期短縮(62日間)を実現することができました。

また、工期短縮のみならずメンバーの意識に変化が芽生え始めました。バッファの色により優先順位を明確に意識しはじめたこと、コミュニケーションが増え仲間意識が強まったことなどです。「私、手が空いています。」と周囲を助けたいという発言まででるようになりました。

CCPMによる計画策定の手順の中でも様々な意見がありました。ODSCの作成によって、これまでは成果品を作ることしか見えておらず、目的が曖昧なまま進めていたことがわかったり、ネットワーク図の作成により今まで当然のように行っていた作業工程を正確には理解できていなかったことも確認できました。

これでは手戻りが多かったこともうなづけます。また、「顧客の○データがないと、処理できないタスクがいっぱいある」とか「Aさんが複数いないと同時処理できない」など、いろいろなリスクが洗い出されました。

工程表への展開では、ネットワークで新たに追加されたタスクを含めて、日程調整を繰り返し「これで何とかなりそうだ」というスケジュールをつくることができました。リスクとなるタスクは、先手で管理し、みんなで助け合いをしようと意識のすり合わせもできました。

このテスト導入のプロジェクトを通じて、他の多くの課題も見つけることができました。例えば、業務の過度な集中を避けるために業務開始時期の調整が必要なこと、Aさんしかできないという状況を減らすための技術者の多機能化タスクの改良が必要なこと、マルチタスクを排除し目の前の1つの仕事に集中できる環境を整備することなどです。

■テスト導入から全社展開へ

株式会社 五星様

2007年3月、テストプロジェクトの報告を受け、全社展開をすることを経営会議で決定しました。年間約1000件、同時約300件の全受注業務をCCPMへ移管し、その他の社内プロジェクトも可能な限りCCPMでマネジメントしようというものです。

全社展開では、テスト導入のメンバーが、全社のファシリテーターとして活躍することになりました。複数のプロジェクトでの効果を見てみると、大規模なものほど効果が出やすい傾向にあるようです。テストプロジェクトよりも大きな1億4千万円の受注案件では、3月末の工期を約1ヶ月前倒しして完成する目処を付けることができました。プロジェクトリーダーにCCPMの効果や課題を確認したところ、効果の方では、可視化とコミュニケーションにより先手管理や納期短縮を実感できたようです。

また、課題としてはチーム・グループを超えたコミュニケーションが必要であること、個々のタスクのサバ(安全余裕)をとること、マルチプロジェクトのシングルタスク化などが指摘されました。
今、五星では、このような課題に計画的に対応していくために、組織形態の見直しまで視野に入れた全社横断的な生産性改善プロジェクトを発足しました。

CCPMの考え方を中核に据え、あらゆる「社内常識」を見直し、生産性2倍を目指して鋭意取り組みを展開しているところです。

■プロジェクト管理 事例 PDFファイルのダウンロード

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Company Information  株式会社 五星

「地域」に徹底してこだわり、そこが必要とする「地理空間情報」を熟知し、その整備、維持および流通に参画し、それらの情報を有効に活用して、地域の「環境」をよりよいものに変革していくための「マネジメント」を基盤とした事業を、当社の事業領域としています。

●所在地:香川県三豊市高瀬町下勝間670-1 ●設立:1963年5月 ●資本金:4,800万円 
●従業員:160名 ●U R L:http://www.gosei.co.jp/

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