IT業界 大手SIer 短納期プロジェクトでの取り組み
現場のモチベーションを大切にし様々な課題を解決しながら、ソラン流のCCPM導入手法を確立し早期発見・早期対策のできる組織へと進化した。さらに会議時間も大幅に短縮するなど、本来の業務に集中できる環境づくり・組織戦略の検討も行っている。

■複数の小規模・短納期のプロジェクト運営で状況が見えなかった

事業推進室 樋口高弘氏(左)とCCPM事務局担当 高橋知秀氏(右)
事業推進室 樋口高弘氏(左)と
CCPM事務局担当 高橋知秀氏(右)

関西第三システム事業部プロダクトソリューショングループは、中堅・中小規模の企業向けにSI提案を行っており、コンサルティング/アプリケーション開発/インフラ構築担当の部署があり、総勢40名で、常時15〜20案件を動かしている。
大規模プロジェクトを運営する組織とは対照的にプロジェクト数が多いため、組織のマネージメントが難しくプロジェクトリーダーごとに属人化された管理となってしまっていた。その結果、状況がわからないまま進んでしまい、気づいたときには赤字になってしまうケースもあった。

また、1つのプロジェクトの遅れが他のプロジェクトに影響を与え、全体の生産性・利益率を下げることもあった。 このような状況のため、当然メンバーのモチベーションも下がっていた。
関西事業本部 事業推進室 樋口高弘氏は状況を危惧しいろいろな打開策を模索していた。
このようなときに目をつけたのがCCPMだった。きっかけは2004年に社内通信教育で紹介された書籍「チェンジ・ザ・ルール」とPMAJ主催のCCPM講座を2006年に受けたことだった。ちょうど同時期に会社の方針で「考え方、やり方を変えよう」という動きがあったので、CCPMがその役割を担うことも期待できそうであった。

■新手法導入のリスクを最小限に抑えたい

CCPMに限らず従来と発想の異なる新しい手法を導入する場合、現場のメンバーは抵抗するものである。樋口氏は現場の状況をよく知っているプロダクトソリューショングループの主任 高橋知秀氏を事務局とし、一緒に策を練った。早速共同で計画を立案し、本社生産技術室の三重野室長へ提案し、予算化に成功した。三重野室長は今では良き理解者である。初めてCCPMを聞いた高橋氏も、正直なところ「良さそうだけど本当に使えるのか?」という感想だった。しかし『分かったときには既に遅い』という状況を変えるには有効なツールに思えた。早期発見・早期対策は、同グループにとって重要なテーマだった。

コンサルティング会社とのワークショップ
コンサルティング会社とのワークショップ

また、新分野に挑戦する風土と使命をもつグループとあって、計画段階での抵抗勢力との軋轢もなかった。2人はリスクを最小限に抑え最大の効果を出すために、コンサルティング会社にも入ってもらいCCPM導入をスタートした。具体的には最初から部署全体に導入するのではなく、まずは3プロジェクトにテスト導入し成果を確認した後、徐々に展開するという進め方にした。CCPMテスト導入のODSC(目的・手段・成功基準、図参照)も明確にしてスタートした。

■CCPMをIT企業でうまく活用するソラン流のコツ

テスト導入のプロジェクトでは、早期発見・早期対策という目的は達成できた。詳細は顧客情報を含むためお伝えすることはできない。しかし、今回の結果いろいろなコツが見つかったと高橋氏が語ってくれた。

1.現場用のスケジュールとマネージメントツールを別にする
現場は従来のWBS等のスケジュールのままで進め、リーダー以上のマネージメント用にCCPMを活用した。
二重管理は良くないというイメージがあるかもしれないが、CCPMは中日程(3ヶ月プロジェクトで11タスク程度)で計画し残日数を管理するだけなので、負荷はほとんどなかった。現場が混乱することなく効果を出すことができた。

2.いかにシンプルに管理するかがキーである
テストプロジェクトの進捗傾向グラフ
テストプロジェクトの進捗傾向グラフ
IT業界は管理が厳重になり続けている。しかし、管理の作業時間が増えプロジェクトを進める時間が減っているのは本末転倒ではないだろうか。自部署でも、以前は進捗会議でプロジェクトリーダーが細かい資料を準備し、時間をかけて説明していたが、内容が細かすぎて全体像が良く分からないことが多かった。思い切って進捗会議をなくした時期もあったが、やはり部署内のコミュニケーションがなくなってしまった。
CCPM導入後は、計画段階から上司とのコミュニケーションツールとして活用でき、実施段階では進捗グラフ(図参照)を見ながら、黄・赤と警告中のプロジェクトを中心に進めることもあり、会議時間は大幅に減った。さらに全員が同じ目線になり、状況をよく把握できている。理想形の進捗会議だと樋口氏は語る。

3.同時並行で組織戦略も検討する
CCPMにより改善活動が進んだとしても従来の組織運営方針やプロジェクトの成功基準が足かせになってしまうと、本当の意味で業務改善ができたとはいえない。業績を向上し続けるために、思考プロセスを利用し組織戦略を検討している。CCPMを契機に改善していくという風土が根付きつつある。

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